自分の足のサイズ知ってますか?
長さは?幅は?甲は?指の形は?
その靴、何基準で選んでる?
大体このくらい~というのはわかるけれど、正確なサイズを測ったことがないという日本人、実はと~っても多いのです。
足のサイズが正確にわかっていないと何がダメなのか、わかっているとどんないいことがあるのか。
本記事ではそれらも含めて足のサイズの測り方を紹介します!
目次
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靴、適当に選んでませんか?
先日、知人に靴のサイズを聞かれたので
「23.5cm、大体D~Eワイズで甲高め」と答えたら「ワイズって何…」と聞き返されてしまいました。
靴屋さんで働いているとワイズは常識なのですが、そうでない人にとっては未知の単語だったようで…
ワイズについてざっくり説明したものの、結局「よくわからない」という顔をされてしまい靴屋さんとしての自信をすっかり無くすことになったのです。
実はこういったエピソードはこれだけではなく過去にも何度か経験していて、経験するたびに「みんなどうやって靴選んでるんだろう…」と疑問が膨らんでいくばかり。
靴屋さんに行く→気になる靴を見つける→履いてみる→買う
大体こんな流れだと思うのですが、履いてみてから買う決断をするには何を基準にしているのか、というところが気になる…というより心配なのです。
その場で出した結論は「適当」なのではないかということ。
適当に選んだ結果、本当は合っていないサイズの靴を履いているのではないか。
この疑惑は案外すぐに確信に変わります。
街を歩くとかかとカッポカッポしてる女子の多いこと!!!
(今回は女性の方が不適合サイズを見抜きやすかったので女子に限定していますがきっと男性でもいるのだろう)
出展:写真AC
歩く度にかかとが脱げそうになってる女の子、多い。
ひとりひとり呼び止めて「靴のサイズ合ってないですよ」と声をかける訳にもいかず、何もできないまま観察は終了したのですが、このもやもやが収まることはなく…
そういえば以前にカッポカッポパンプスを履いている友人になぜそんなサイズの合っていないものを履いているのか尋ねたことがあったのを薄ぼんやりと思い出しました。
遠い昔の記憶なのではっきりとどのような返答だったのかは覚えていないのですが、概ね「ゆったりしていないと痛いから」こんな感じのことを言っていたように思う。
靴屋さんとなった今ではそんなわけない!と一刀両断できるのですが、当時は確かまだ学生だったような。
(そんなことないと思うけどなあ)なんて思いながら聞き流したのでしょう。
この思い出から、”適当に選んでいるのでは”という疑念に”足のサイズに対する誤解があるのでは”という確信に近いような結論にたどり着いたのでせめてと思い足のサイズの本当のところ、測り方を記そうと思ったのです。
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足、靴に関心の低い日本人
靴のサイズ、日本では”cm”での表記が主流。ワイズ表記のある靴もあるっちゃありますがあまり見かけません。
ワイズとは日本語で「足囲(そくい)」と表記することもあり、簡単に言うと足の一番膨らんだ部分の外周のサイズです。
この足囲が足の長さ(足先からかかとまで)に対してどれくらいあるかを計算してワイズを割り出します。
靴には何cmかというサイズ表記の他にA~Eのアルファベットが付いていたりします。それがワイズ表記。
現在、ワイズはA~Eで表され、A→B→C→D→E→EE→EEE→EEEEといった具合にAが小さく(狭く)Eが大きい(広い)ということ。
例えば同じ23.0cmの靴でも「23.0cm A」と「23.0cm EEE」ではかなりサイズが違います。
これは体型の違い(痩せていたり太っていたり)で変わるわけではなく、先天的なもので基本的に体型の変化や加齢等で大きく変わることはありません。(最大2サイズ程度の変化なら大幅な体型の変化で起こることも)
ワイズEEEの人がワイズAの靴を履くと途中でつっかえて入らなかったり必要以上に食い込んで靴擦れの原因になったり、逆にワイズAの人がワイズEEEの靴を履くと大きすぎて靴の中に足が固定されず足が滑って怪我の原因になったりします。
サイズ(cm)だけではなく自分のワイズを知っておくことはかなり大切なことですが、日本人は足のサイズ・ワイズに特段関心が低いと言われます。
幅や足囲があまり履き心地に影響しない草履・下駄文化の影響なのでしょうか…
実際にアンケートを取ってみるとこんな結果に。
自分の足のサイズ、
— mamian-マミアン-神戸発信レディースシューズブランド (@MAMIAN) May 25, 2020
なんと3分の2もの人がサイズを測ったことがない!
それで正しいサイズを選べと言うほうが無理難題というもの。
さらにひと昔前には「日本人の足の特徴は幅広・甲高」と言われていた時代があり、いまだにそれを信じている人も多く、これが”足のサイズに対する誤解”の正体かと思われます。
が、現在の平均は男女共足のサイズは大きくなっているものの、幅・ワイズはあまり変化がなく、幅狭・甲薄タイプの足の人が増えているようです。
実際、日本人は甲薄タイプの足が多く、平均ワイズはD~Eくらいだと言われています。
巷で溢れる「履きやすい」を謳うシューズはワイズEE、EEEくらいで「ゆったり感」を売りにしていることが多く、でかけりゃいいってもんじゃないということは言わずもがなですが日本人の「自分たちは幅広・甲高だ」という錯覚がそういったシューズを蔓延らせているのでしょう。
これも実際に測ってみないとわからないので、自分の足を誤解したままになりがちです。
足は10人いたら10とおりのサイズがあって、全く同じサイズの人なんてそうそういません。
履きやすさ=自分のサイズを知ることから。
ゆったり=履きやすい、痛くないではありません。
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足のサイズを知ることのメリット
自分の足のサイズを正確に知ることでどんなメリットがあるのでしょう。
わかりやすいメリットとしては
・靴選びが簡単になる
・選べる靴の幅が広がる
・足の健康を保つ
この3点が大きいかと思います。
よりよいシューズライフを送れるかも。
《靴選びが簡単になる》
これは単純に足の様々な情報を得ることでどんな靴を選択したら良いか、どんな靴が足に合っているかが選びやすくなるというお話。
これまでのなんとなくの経験で選んでいた靴が、実は全然足に合っていなかった、足のサイズを元に選んだらもっと楽な靴があった、なんてよくある話です。
自分の足のサイズを知ることでより簡単に、より快適な靴を選ぶことができるようになります。
《選べる靴の幅が広がる》
これまでは苦手だと思っていたタイプの靴、自分の足の情報的に合うんじゃないかな…こんなこともあるあるです。
要は食わず嫌いをなおすような感覚。
逆に合わないタイプの靴の中でも履けるものを見つけられることも。
例えばローファーが欲しいけれど足が細く合うものが見つかりにくい…→レースアップで幅を調節できるタイプなら履ける!といった具合です。
自分が思ってもみなかった素敵な靴との出会いがあるかもしれません。
《足の健康を保つ》
足に合っていない靴を履き続けることは足の健康によくありません。
外反母趾、内反小趾のような足の変形だけではなく歩き方自体がおかしくなったり、それによって脚や腰に影響が出ることも。
特に足囲(ワイズ)の細い人ほど合わない靴を履くことによる足のトラブルが多いそうです。
靴によるストレスは自分が思っているより大きく、身体に様々な影響が出てしまいます。
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足のサイズの測り方
長々説明しましたが、実際に足のサイズを測ってみましょう!
足のサイズは主に【足長】【足幅】【足囲(ワイズ)】で表されます。
【足長】
足の指先からかかとまでの長さ
【足幅】
足の一番膨らんでいる部分の横幅
【足囲(ワイズ)】
足の一番膨らんでいる部分の外周(外周の長さと足長を用いて求める※下記詳細あり)
この3つのサイズを知っておくと大体どのサイズの靴を買えばいいかわかります。
実際に履いて試せないネット通販でも靴が買いやすくなりますよ。
さらに【足指タイプ】も合わせて覚えておくとさらに靴選びが簡単になります。
人間の足はどの指が長いかで形が変わり、それぞれの形に最適なトゥ(つま先)の形があります。
指の形は3種類に分類されます。これは素人目に見てもわかりやすいので自己判断で十分でしょう。
【エジプト型】
日本人のほとんどはこれ。親指が一番長く、小指に向かって大体一直線に短くなっていきます。
大体どのタイプのトゥでも対応できる足型ですが、細すぎるトゥのものを履くと長い親指が曲がってしまって外反母趾になりやすいと言われています。
エジプト型の足型に合うトゥ... ラウンドトゥ、オブリークトゥ
エジプト型の足型に 合いにくいトゥ...細身のポインテッドトゥ
【ギリシャ型】
親指よりも人差し指が長く、山を描くような形の足型。
指の形に沿うようなほっそりしたトゥが合いやすく、逆に短め・四角めのトゥだと人差し指が曲がってしまって怪我・タコ・靴擦れやハンマートゥの原因にも。
ギリシャ型の足型に合うトゥ...ポインテッドトゥ、アーモンドトゥ
ギリシャ型の足型に 合いにくいトゥ...スクエアトゥ
【スクエア型】
大体ほとんどの指の長さが均一で、上から見たら四角く見える足型。
もっとも少ないタイプで指全体の幅が広いので、ちょっと靴選びも難しいタイプです。
スクエア型の足型に合うトゥ...スクエアトゥ
スクエア型の足型に合いにくいトゥ...ポインテッドトゥ、その他細身のトゥ
足型とこのあと解説する足長、足幅、ワイズのデータを元に自分にぴったりのシューズを探してみましょう。
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【自分で測ってみよう編】
まずは 【足長】【足幅】【足囲(ワイズ)】の自宅でできる測り方です。
ここでは日本式の測り方を紹介するので海外ブランドのシューズとは微妙に数値が違ってくる可能性があることを頭の片隅に置いておいてください。
足の計測は国によって基準が違うのです。
そして、気をつけたいのは人間は誰しも左右非対称だということ。
足のサイズも然り、左右で微妙に違う人がほとんどで、稀に2サイズ分ほども違う人もいます。
計測する際は必ず両足を測るようにしましょう。
用意するものは足全体が入るサイズの紙、ペンか鉛筆、ものさしかメジャー、この3点。
女性ならA4サイズのコピー用紙(縦編297mm)で十分入るでしょう。
①まずは紙に十字に線を引きます。
十字の交差部分にかかとの先を合わせるので、紙の下の方に書いた方が◎
②十字の交差部分にかかとの先を、十字の伸びた先につま先を合わせます。
かかとは地面と接している部分より後ろに出っ張っていることがほとんどなので、ものさし等を使ってきっちりかかとの先が交差部分にくるようにしましょう。
足指の一番長い部分が線上にくるようにします。
③足長、足幅を図ります。
足長→指の一番長い部分を十字の線上に印をつけます。
足幅→真上から見て内側、外側共に一番膨らんでいる部分に印をつけます。
つまりここ。
紙から足を離し、かかと~十字の線上の指先の印の長さ・足の内側、外側の印の長さをメジャーやものさしで測ります。それぞれが足長・足幅です。
④足囲を図ります。
足を真上から見て内側、外側共に一番膨らんでいる部分をつなぐ形で、足の周囲の長さをぐるりと図ります。
⑤以下のデータと照らし合わせてワイズを計算します。
例)足長22.8cm、足囲22.0cmの場合→ワイズD
足長25.4cm、足囲22.3cmの場合→ワイズB
紙とペンとものさしがあれば自宅でも簡単に計測することができます。
プロ計測より正確さは劣りますが、自分でも気づかなかった足の特徴を捉えることができるかもしれません。
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【プロに測ってもらおう編】
足には足の”シューフィッター”と呼ばれるプロがいます。
何をしてくれる方々かというと、足の計測はもちろん、合う靴の選び方を教えてくれたり、中敷で調節して合わない靴を合わせてくれたり、このお店の靴が合うと思うよーって教えてくれたりします。
ちなみに日本での認知は低いですが諸外国ではかなりの上位職。
(気になる方はシューフィッター資格試験の概要と受験料諸々…調べてみてくださいませ。目ん玉飛び出ます)
自分で測るだけではただの数字、結局何を基準に選んだらいいのかも勉強する必要がありますが、シューフィッターさんに任せると数字をもとに色々教えてくれるのでかなり靴選びが楽しくなるはずです。
ではどこに行けばシューフィッターさんに出会えるのか。
百貨店や靴の専門ショップにいらっしゃるのですが、あまり多くはありません。
こちらからシューフィッターさんを探すことができますので、貴方の街のシューフィッターさんを探してみてください。
▽検索(一般社団法人 足と靴と健康協議会のHPへ移動します。)
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【ZOZOMATで測ってみよう編】
ネット通販大手のZOZOTOWNからは、なんとスマホで足の計測ができるZOZOMATなるものが登場!
早速やってみたのですが…
※サンプルデータです
おおおお!
自分で測ったデータとあまり変わりなく…
難しい操作も一切なく、アプリを起動して画面の指示どおりに写真を撮っていくだけ。
これだけでここまで計測できたら本当に便利。
その結果からオススメのシューズ(サイズまで!)を教えてくれるからとっても便利!
こんな時代になったか…と驚きを隠せません…
もちろんこのデータを街の靴屋さんでお買い物するときの参考にするものアリなので、一度測っておいて損はありません。
▽ZOZOMAT(ZOZOTOWNサイトへ移動します)
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まとめ
たかが足、されど足。足は人体で最も地面に近い部分。地球上に重力がある限り、人間が二足歩行を続ける限り、足には負担がかかり続けます。
その負担をどう捉えるかで足に対する関心は大きく変わってくるでしょう。
10年後も20年後もおじいちゃんになってもおばあちゃんになっても健康な足で暮らしたいなら、足のサイズ、靴の選び方も関心を向けてみてはいかがでしょうか。
皆様のシューズライフが素晴らしいものになりますように。